ようやくの週末である。
会社が休みでも家のことはしなくてはならない。タスクも山ほどある。心配事も。それが考えるに値するのか不要なのか、また、せねばならぬことならどれだけあってどのくらいの時間と体力を使いそうなのかを、すでに気重なのでゆっくり静かに落ち着いて精査したいと思い、気分転換も兼ねて、休日の朝から喫茶店へと赴いた。
ウッドを基調とした落ち着いた雰囲気の喫茶店である。店員さんの物腰も柔らかく丁寧で印象がいい。ここでゆっくり考え事をしよう。
案内された席に座る。ちょっと大きめサイズのブレンドホットコーヒーを注文する。
スマホを開きメモと調べるためのWebサイトを表示する。
ん?
何やら落ち着かない。
香水の香りがした。どうやらお隣で勉強をしているらしきお嬢さんからのようだ。いい香りかもしれないが、苦手はな私には不安材料。珈琲を飲まない時はマスクを付ければしのげるかもしれない。せっかく来たのだからちょっとの努力はしようと思った。
そこにファミリーが入店してくる。店員さんの人数の問いに「9人です」と答えている声が聞こえる。子供たちは元気はつらつでパワフルなおしゃべりをしている。陽のエネルギーがみなぎっていた。更に何組かのファミリーも次々と入店してきた。
店内はとても賑やかになった。
この場はどうやら私のニーズには合わないようだと判断し、本当は昼近くまで滞在しある程度考えが固まってから昼用のテイクアウトをして帰宅予定だったのを、早々に切り上げた。
頭痛を覚えながら、もっと早く出ればよかったかもと後悔する。
帰宅すると、自宅の方がはるかに静かで快適に思えた。
起き抜けで不機嫌そうな我が子がいた。
何だかとても、自宅の状況が有難くなって、今朝の状況を話し、子供に礼を言った。
苦虫を嚙みつぶしたような顔をしている。
いつもの光景なのにちょっと新鮮味を感じながら、我が子に特に変わりばえのしない予定を伝えてリビングを後にする。
さて、家のお仕事を始めますか。
お店に来たらいつも買って帰ってる