私は関節リウマチを患っています。
この病気の名前をご存じの方は多いと思いますが、実際にどのような病気なのかを正確に理解されている方は、まだ多くないように感じます。関節が痛む病気だと思われがちですが、実際にはそれだけではありません。疲労感やこわばり、薬の副作用など、日常生活の中で向き合う課題は多く、症状の出方も人それぞれです。
最近、関節リウマチに関する話題をニュースで目にする機会がありました。
高市早苗さんが総裁に就任されたこと、そして大阪大学の坂口志文教授が「制御性T細胞」の研究でノーベル賞を受賞されたことです。これらの出来事を通して、関節リウマチという病気の知名度が少し高まったように感じています。制御性T細胞は免疫の働きを調整する役割を持ち、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患に深く関わっているとされています。研究の進展が、今後の治療の前進につながることを期待しています。
病気の認知が広がることには、良い面と難しい面の両方があります。
良い面は、理解してくださる方が増えることです。正しい知識が共有されることで、患者が少しでも過ごしやすい社会に近づくのではないかと思います。
一方で、「同じ病気でも要職に就けるくらいアクティブに過ごしている人がいる」というような単純な比較が生まれてしまう可能性もあります。関節リウマチは症状の幅が非常に広く、軽い方もいれば重い方もいらっしゃいます。日によって体調が大きく変化することもあり、一つの基準では測れない病気です。
それでも、知っていただくことの意味は大きいと感じています。
病気を抱えながら生きている人がいるという事実が、少しずつ社会の中に浸透していけば、治療やサポートの在り方も変わっていくかもしれません。
「できる・できない」という区分ではなく、病気とともにそれぞれの生活を送っているということを、自然に受け止めてもらえる社会になっていけばと願っています。
今日も体調を見ながら、できることを少しずつ進めています。
大きな変化ではなくても、研究や発見が未来の希望につながっていく。その流れの中に、自分も静かに立ち続けていたいと思います。