高橋和希氏を偲ぶ

ずいぶん前のことになるけれど、まだ私がアニメや漫画からエネルギーを得て今より元気だった頃、ハマっていた漫画が「遊戯王」だった。

特にアニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」に大興奮しており、あまりテンションが高めでない私にしては過去イチの盛り上がりを見せていたと思う。カッとんだ世界観が少年漫画誌らしくて好きだった。

カードゲームの方はほぼやらなかったが、推しキャラのデッキ内カードを中心に集めており、闘う予定のないデッキを組んだりもしていた。

カードには美しいイラストも多い。やがて私はカードの下にそのカードの絵を描いているイラストレーターの名前の記載があることに気付く。

気になるイラストレーターを検索し、サイトを訪れたり書籍を買ったりした。

高橋和希氏は、遊戯王という作品によって、イラストレーターの雇用に貢献できたんじゃないかなということを何かのインタビューで言っていたことが今でも強く印象に残っている。

そして、遊戯王作品の中には何人か物語を盛り上げるためのムナクソの悪いキャラクターも出ており、海馬剛三郎もその一人。…だと思っていた。少年誌作品において父親が子供につらく当たる描写は多いのだが、高橋氏は「海馬剛三郎は父親でした。ただ理想的でないだけで。」と答えていた。父親としての役割は果たしていたことを指していて、遊戯王という漫画は子供にわかりやすい勧善懲悪な漫画かと思いきや、そういう見えない部分の思いも作者としてはあったのだなと、見方が少し広がった記憶がある。

思い出していると、楽しかったのを思い出し少し元気が出てきた。

ありがとう、作品をとても楽しませていただきました。

ご冥福をお祈り申し上げます。


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