差し歯が取れた!しかも前歯!

私は前歯に差し歯がひとつある。

とある金曜の晩、夕食の白飯を美味しく咀嚼していたら、フッと口の中が軽くなった。

違和感を覚えつつ惰性で咀嚼していると更にガリッという食感。

嫌な予感がして吐き出すとそこに差し歯がコンニチハしていた。

鏡で確認すると、前歯がぽっかり無くなり間の抜けた顔の私。

しばらく呆然とするも、

抜けた歯を見ても、歯茎を見ても、何かが残ること無くきれいに取れていたので、「明日土曜日ならまだ歯医者に行って付け直してもらうことができる」と意を決した。

実はこの差し歯、取れるのは3回目。

若かりし頃、前歯が虫歯になったものを歯科医が思い切り削って差し歯にしてしまったもので(思い出すだけでショックを受ける)長く取れたことが無かったのだけれど3年前に取れてしまった。

その時は確か固いものを思い切りかじったと記憶している。

その時に、差し歯を新たに作ってもらい、次取れたらインプラントを考えてくださいと言われていた。

その1年後にまた取れた。この時もうっかり固いものを食べたせいだったと思う。ずっと気を付けてても一瞬の油断でこのざまである。

前回の差し歯を作ってくれた歯科医が退職してしまっていたので別の歯科へ行くと、

まだ何とかなる範囲だと、取れた差し歯を再利用してくれた。でも、この調子だと次も取れるだろうとやはりここでも次回はインプラントにしてはと勧められた。

インプラントに抵抗があるわけではないけれども、お金はそこそこかかるし、一度歯の矯正で失敗しているため、メンテナンスで長く通わなくてはならないことが苦痛に思えた。

なので今回、さすがにもうインプラントだと言われるだろう、100万くらいかかるのかな、生活維持できるだろうか、子供を学校に活かせてやれるだろうか、などと抜けた歯を見て考えていた。

だけども、この顔(前歯)を世にさらしたままでは間抜けすぎる…。

前に行った歯科医は少し遠いところにあるため、とにかく近くですぐ対応してくれる歯科医を探し、予約をとった。

土曜は大体午前中のみの診察が多いので、急にねじ込まれて嫌がられるだろうなと思いつつ新しい歯科医の扉を開ける。

今まで高圧的で乱暴な歯科医に何度か当たってしまっているため、すごく緊張していた。

だから受付のお姉さんの笑顔があたたかな光だった。

「すみません、土曜の忙しい時に急に滑り込んでしまって」と、診察椅子の上で待っていたら現れた歯科医に言うと、

「前歯ですからね、これは仕方ないですよ」と穏やかな口調のコメントが返ってきて、インプラントになりますかと尋ねたら「また取れるし感覚も短くなってくるでしょうけどまだこれを使えますよ」との返事。

色々気が抜けて涙腺崩壊しそうだった。ありがたや。

来年の今頃もこんな話をしてるかもしれない。

色んな意味でインプラントが怖くなくなってるといいな。


差し歯取れるとちょっと臭うよね…(^^;
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